タイに住んでいると、90日ごとに「私はまだここに住んでいます」と入管に報告する義務があります。90日レポート(TM.47)というものです。
タイ移住を考えている人にとっては、たぶん一番よくわからない手続きのひとつだと思います。ビザの更新じゃないし、罰金があるらしいし、行列に並ぶらしいし、書類が要るらしい。
先日、初めてチェンマイ入管でこれをやってきました。結論から言うと、8分で終わりました。

そもそも90日レポートとは
タイに90日以上連続で滞在する外国人が、現在の住所を入国管理局に届け出る手続きです。
大事なのは、これはビザの延長ではないということ。受領書にもわざわざ「THIS IS NOT AN EXTENSION OF STAY(これは滞在延長ではありません)」と書いてあります。あくまで「居住確認」です。
そして、一度タイを出国すると90日のカウントはリセットされます。再入国した日が1日目になる。だから旅行好きな人は、そもそも90日に到達しないまま暮らしていたりします。
忘れると罰金は最大5,000バーツ。これも受領書に明記されています。
場所はどこ?(チェンマイ入管の基本情報)
チェンマイには90日レポートを扱う窓口が2か所あります。
① チェンマイ入国管理局(本庁)
住所:71 Thanon Sanam Bin, Tambon Suthep, Mueang Chiang Mai 50200
電話:053-201-755
受付時間:8:30〜12:00 / 13:00〜16:30(土日・タイの祝日は休み)
空港のすぐ東、サナームビン通り(空港通り)沿いです。ドライブスルーがあるのはこちら。冒頭の青い看板もここに立っています。
敷地内にコピー屋と証明写真の店があるので、書類を忘れても現地で何とかなります。
② セントラル・チェンマイ支所(モール内)
住所:セントラル・チェンマイ(旧セントラルフェスティバル)2階
99/1 Superhighway Lampang-Chiang Mai, Tambon Fa Ham, Mueang Chiang Mai 50000
受付時間:9:00〜12:00 / 13:00〜16:30(土日・祝日休み)
看板にあった「代理人の場合はこちら」がこの支所です。モールの2階、両替所のあたり。
ちなみにモール本体の開店は11時ですが、入管は駐車場側の入口から9時前に入れます。
エレベーターで2階へ。買い物のついでに寄れるので、ビザ延長で使う人も多い窓口です。
行くなら朝イチ
どちらの窓口も、1日に配布する整理券の枚数に上限があります。「まだ営業時間内だから大丈夫」は通用しません。午後に行って券が尽きていた、という話は普通にあります。
朝8時台に着くのが、いちばん確実で、いちばん早く帰れます。
チェンマイ入管に着いてまず戸惑った看板
入管の敷地に入ると、青い看板が立っています。
「90 Days Report」の文字と、赤い矢印。そして2つの選択肢。
1. DRIVE THRU 車やバイクに乗ったまま手続きできる。ただし条件があって、「必ず本人が来ること」。代理人はダメ。
2. AUTHORIZED PERSON(代理人の場合) 委任状で誰かに頼む場合は、入管本庁ではなく セントラル・チェンマイの窓口 へ行ってください、という案内。
つまりこの看板は「本人ならここ、代理ならセントラルへ」という振り分けの標識でした。ドライブスルーで90日レポートが終わるという発想がまずなかったので、しばらく看板の前で立ち止まってしまいました。

持ち物、どこまで要るのか問題
ネットで調べると、だいたいこう書いてあります。
- パスポート原本
- 顔写真ページのコピー
- ビザページのコピー
- 最新の入国スタンプのコピー
- 滞在延長スタンプのコピー
- 前回の90日レポート受領書
- 記入済みTM.47用紙
私も一応コピーを揃えて行きました。
そして窓口で差し出したら、「いらない」と言われました。
パスポート原本とTM.47だけで通過。拍子抜けするほどあっさりです。
ただ、これを「コピーは不要」と一般化するのは危険だと思っています。タイの手続きは、担当官や時期や県によって運用が変わる。実際、敷地内にコピー屋(Photocopy Service)がちゃんと営業しているのが何よりの証拠です。要らないと言われたらラッキー、くらいの気持ちで持って行くのが正解だと思います。
受領書がすべてを教えてくれる
手続きが終わると、A4の受領書(RECEIPT OF NOTIFICATION)が渡されます。
受付時刻は 8:32:16。並び始めてから、たぶん8分くらいでした。
この紙の下部に、赤枠でこう書かれています。
NOTIFY YOUR ADDRESS AGAIN ON — 21 Oct 2026
次にまた来る日です。仏暦だと2569年。この日付が印字された紙こそが、次回の申告時に「前回ちゃんと出しました」という証明になります。
なので KEEP IN PASSPORT(パスポートに挟んでおくこと) と印刷されている。言われた通りにしておきます。

そして2回目からはオンラインでいい
ここが一番のポイントかもしれません。
初回は窓口へ行く必要がありますが、2回目以降はオンライン申請ができます。
どこから入るのか
ネットで検索すると tm47.immigration.go.th という直リンクが出てきます。これでも入れるのですが、入管の公式マニュアルが案内しているのは正面玄関のほうです。
ここから Online Service(Over 90 days) のメニューを選ぶ。システムのURLは変わることがあるので、公式トップから辿るのが結局いちばん確実です。
登録から申請までの流れ
公式マニュアルに書かれている手順は、驚くほどシンプルでした。
- Apply をクリックし、メールアドレス・氏名・電話番号を英語で入力
- 登録したメールアドレスにパスワードが届く
- ログインし、初回のみ Accept(利用規約への同意)をクリック
- New APPLICATION (TM.47) から申請フォームを入力(*印は必須項目)
- 内容を確認して Submit
- いったん Pending(承認待ち) のステータスになる
- 3営業日以内に審査結果がメールで届く
ちなみに送信後、システムは住所情報を保持したまま次の入力画面に戻ります。同じ家に住む家族の分をまとめて申告するときに楽をさせる設計だそうです。細かいけど、こういう配慮があるのは意外でした。
申請できる期間 —— ここは要注意
公式マニュアルの記載は「15日前から(15 days in advance)」。それだけです。
窓口申告でよく言われる「期限後7日まで」という猶予は、オンラインには書かれていません。しかも結果が返ってくるまで最大3営業日かかる。
つまり、期限ギリギリに送信すると、承認が下りる前に期限日を迎えてしまう可能性があるということです。申請期間が開いたらすぐ出す。これが正解だと思います。
私の場合、次回期限が10月21日なので、10月6日には送信しておくつもりです。
オンラインが使えないケース
公式マニュアルが明記しているのは、ひとつだけでした。
- パスポートを新しくした場合
このときは窓口で申告する必要があります(本人または代理人でOK)。そして一度窓口を通せば、その次の回からまたオンラインに戻れます。
ネット上の情報では「出入国するとダメ」「引っ越したらダメ」といった条件もよく見かけます。実務上そうなるケースはあるようですが、少なくとも公式マニュアルには書かれていません。公式ルールと現場運用は別物、というタイらしい話として頭に入れておくといいと思います。
地味にありがたい仕様
次回の期限の15日前に、登録メールアドレスへリマインドが届きます。
90日レポートで一番怖いのは「忘れること」なので、これはかなり大きい。アカウントさえ作っておけば、システムのほうから声をかけてくれます。
私は帰宅してすぐ登録を済ませました。おすすめです。
システムが落ちている問題
これはタイあるあるなのですが、受付件数に上限があるらしく、送信ボタンを押したあとにエラーで完了できないことがあります。数日待って再挑戦して、それでもダメなら窓口へ。焦らないのが吉です。
まとめ:思っていたより、ずっと簡単だった
海外移住のハードルって、こういう「よくわからない役所手続き」の想像上の面倒くささが、実際の面倒くささの3倍くらいあると思っています。
実際にやってみたら、朝の8時半に車で乗りつけて、パスポートを出して、8分で紙をもらって終わり。
しかも次回からは家からできる。
移住を検討している方の、ハードルがひとつ下がれば幸いです。
※タイの入管手続きは頻繁に運用が変わります。この記事は2026年7月時点のチェンマイ入管での体験です。最終的な判断はご自身でお願いいたします。
